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補強短繊維の繊維長はどう決まる?
2021.07.19

 

建築用バルチップMKの長さは30㎜ですが、どうしてこの長さになったのでしょうか?

 

過去の繊維補強コンクリートの知見から、

変形特性を期待する場合には補強短繊維の長さは骨材の最大寸法の1.5倍以上が望ましいとなっています。

※変形特性:曲げ靭性、弾性ひずみなどの特性

 

 

一般的に建築の土間コンなどでは、20㎜の粗骨材を使用することが多く、繊維長はその1.5倍の30㎜となりました。

 

 

 

なぜ、骨材の最大寸法の1.5倍以上が必要となるのか?

 

繊維は、コンクリートに曲げひび割れが発生した後に、コンクリートを繋ぎ止める「架橋効果」により引張力を制御しひび割れの進展を防いでいます。

 

 

 

繊維長が骨材寸法と同等もしくは短くなってしまうと、繊維が骨材に埋もれてしまいこの架橋効果を発揮できないために、骨材の最大寸法の1.5倍以上が望ましいとなっているのです。

 

 

 

では、12㎜や6㎜といった長さが一般的な細径繊維はどうなるのか?

 

細径繊維は主に剥離/剥落防止や爆裂防止を目的としており、変形特性以外の効果を期待するのでこの法則には当てはまりません。

 

 

 

他にもトンネルの覆工など高い曲げ靭性付与を求める場合には、48㎜や60㎜といったより長い繊維長のものが選定されることもあります。

 

 

繊維の特性をより良く知ったうえで、バルチップの効果を実感しながらご使用いただけると嬉しいです。